山猫を探す人Ⅱ

okenamay.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2012年 11月 27日

山猫的遠野遺産④

まずは、この話から始めましょう。



(前略)・・・・・ここも昔から人の行くことを禁ぜられた場所で、ことに池の傍に行ってはならなかった。これを信ぜぬ者が森の中にはいって行ったところが、葦毛の駒にまたがり衣冠をつけた貴人が奥から現れて、その男はたちまち森の外に投げ出された。・・・・・(後略)
                                           遠野物語拾遺36話


実も蓋も無くすような発言をしてしまえば、これは禁足地への侵入を戒めるための作り話であろうが、作り話にしてもキャストの設定が興味深い。仄暗い森の奥から葦毛の駒に跨った貴人が出てくる場面が容易に想像できて戦慄するのだ。



山猫的遠野遺産④_c0337257_12285405.jpg




それが、ここ「トンノミ」



山猫的遠野遺産④_c0337257_12285410.jpg




現在では釜石線と仙人峠道路に挟まれて、こじんまりとした屋敷林みたいな景観になっていますが、昭和50年代の航空写真で見ると背後の森と繋がっていて、クルマではどこからも近寄れないような構造になっていました。



山猫的遠野遺産④_c0337257_12285452.jpg




近寄ってはならない池は健在です。



山猫的遠野遺産④_c0337257_12285481.jpg




なにゆえの禁足地だったのか、物語や文献からは知る由もありませんが、深い森の中でコンコンと湧き出ずる清らかな湧水は、それだけで人々に神秘性と信仰心を宿らしめたと容易に想像できます。



仙人峠道路が出来てから、湧水の流量が不安定となったり、貧栄養化が進んでいるように見受けられます。



山猫的遠野遺産④_c0337257_12285486.jpg




森が縮小し、鉄道、道路に蹂躙されている姿は痛ましいですが、そこに宿った畏れや敬う心は後世に伝えるべきものでしょう。





山猫的遠野遺産4番は「トンノミの森」です。





by Wild_Cat_Seeker | 2012-11-27 22:16 | 遠野物語の地 | Comments(4)
Commented by nooree at 2012-11-28 08:35 x
おはようございます^^
>近寄ってはならない池・・・・近寄ってはイケナイ池ですね!(^^)!
もしかしたら・・・・埋蔵金を隠す為に誰かが流した噂かも知れませんね^^;
行くなと言われれば行きたくなるのは僕だけでしょうか?^^;

Commented by たみゃちょ at 2012-11-28 22:20 x
おこんばんわ!

・・・アッ、やっぱり。
遠野遺産的な価値はあると思いマス。が、「トンノミ」の標柱
だけでも充分な気がします。

幻想溢れるところだけに、知っている者はこの場所への
関心度が高い人であって欲しいと思うのはワガママ?
しかし、直接この場所に触れなくても、間接的な原因で
藻スグリーンが消えたというのはいまだに惜しいです。


・・・・足毛の奇人の想像は容易に出来ま・・・
とびどぐ飛んできそうです;


Commented by yamaneko at 2012-11-28 22:34 x
nooree様

こんばんわ^^

そうです。近寄ってはいけません。
ましてや靴を脱いで足を浸したり、水を失敬して、クルマのウォッシャー液の薄めに使用したりしてはイケません!(やったのか~!w

この池に、コンデジを落とすと、森の奥からYバシカメラの店員の服装をした奇人が現れて、こう言います。

「あなたの落としたカメラは、これ(5DⅢ)かね? それともこれ(1DX)かね? それともこれ(EOS-M)かね?」[E:happy02]

Commented by yamaneko at 2012-11-28 22:41 x
たみゃちょ様

大仕事・・・・大JOBですよ^^

禁足地は遠野遺産には成り難いですから。
ホウリョウにしろトンノミにしろ、どこか人に知られたくない雰囲気を醸し出していますから。
むしろ我々ブロガァが露出度を高めてしまっている傾向にありますね~W

あの藻スグリーンは、もう復活することはないでしょうね~
決定的に水質が変わってしまったようです。

あ、だめですよ。
池に肥料を撒いたりしちゃ^^

名前
URL
削除用パスワード


<< プチ旅 湯は会津おんりー      山猫的遠野遺産③ >>