山猫を探す人Ⅱ

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2008年 01月 08日

遠野らうめん物語

此話はすべて遠野通い人山猫ひろし君より聞きたり。昨平成十九年の二月頃より始めて、昼飯時と深夜をりをり暖簾をくぐり、らうめんをすすられしを筆記せしなり。山猫ひろし君は箸上手にはあらざれどもハネを飛ばさぬ人なり。自分もまたシナチクをも加減せず焼豚載せたるままをかきこみたり。思ふに遠野郷にはこの類のらうめん屋なほ数件あるならん。われわれはより多くを食さんことを切望す。国内の山村にして遠野よりさらに物深き所には、また無数のらうめん伝説あるべし。願わくばこれを食してスープまで殲滅せしめよ。出る腹のごときは滅多慕陸症候群なり。

昨年二月の初自分は遠野郷に遊びたり。花巻より十余里の路上にはらうめん屋三箇所あり。*1 その他はただ青き山と原野なり。不和身礼須の稀少なること北海道石狩の平野よりもはなはだし。或いは新道なるがゆゑ食事処の来たりつける者少なきか。遠野の城下はすなはち麺家の街なり。馬*2を駅亭の主人に借りて独り郊外のらうめん屋を巡りたり。その馬*3は黒き撥水性ゴムをもちて作りたる須太怒礼須鯛矢を履きたり。雪多きためなり。猿が石の渓谷は土肥えてよく拓けたり。路傍にらうめん屋の少なきこと諸国その比を知らず。高処より遠望すれば「喜楽」まさに熱し。路駐花盛りにて客はことごとく入店して席に在り。客の注文は種類さまざまなり。三人、四人、五人続けて注文の同じきは、すなわち五右衛門らうめんにして、いはゆる看板めにゅうなるべし。さらに炒そばの名は、常連にあらざればこれを知らず。小腹よりさらに腹の減りたる者は五右衛門らうめんセットを頼むことは常に見ゆるところなり。駒木の谷へ越ゆれば「はやちね食堂」の暖簾は赤く霞み、看板めにゅうは辛し味噌らうめんのごとく、また麻婆らうめんと見たり。この谷は雪深きことさらに甚だしく満目一色に白し。細き田中の道を行けば名を知らぬ猫ありて横ぎりたり。猫の色は灰色に白きトラ縞混じりたり。初めは山猫かと思ひしが、近所の民家に上がりて見えざればすなはち「ネネ」なることを知れり。親不孝通りには「つるや」ありて手打ち味噌らうめんあり。ここのらうめんには軽く海苔を敷き、赤き辛し味噌いささかひらめきて濃厚なるスープに映じたり。手打ち味噌らうめんといふはスナック帰りの人の食すものなり。某氏のお絵かきネタにされる者五、六人箸を抜きて共に手繰るものなり。笛の旦那のテンションは高く歌は旨くして側にあれども血管切れるか心配なり。日は変わりて風吹き酔ひてタクシー呼ぶ者の声も淋しく女は笑ひ男は踊れどもなほ睡魔を奈何ともするあたはざりき。遠野郷に新しき認定制度ありて、「トネーゼ」の旗を高く掲げて客を招く風あり。峠の馬*4 の上において東西を指点するに、この旗数箇所あり。郷人の常連となれる者と、かりそめに入り込みたる通い人と、またかの有名たる「ばんがり」とを昼時は徐に来たりて「手打ちらうめん」を食ひ尽くしたり。遠野郷には数箇所のらうめん屋ありて、皆真心をもちて作りしなり。この日飽食の徒多く、岡の上に「産直ともちゃん」見えどんぶりの音聴こえたり。道違えの手前の「姫屋」にはラーメンセットあり。あたかも昭和の中華そばのごとくライスと揚げ物が付いてありたり。以上は自分が遠野郷にて得たる情報なり。



注釈*1 ・・・・レストラン銀河亭、ほたる、宝介のことだと思われる(w
注釈*2 ・・・・ここでいう馬とはレンタカーのことらしい(w
注釈*3 ・・・・繰り返すが馬=レンタカーのことだ(w
注釈*4  ・・・・しつこいようだがレンタカーのことである(w

ああ、疲れた!
このパロはワタクシのお笑いパラノイアの集大成ですよ。
惜しむべし。後半は力尽きて、言葉が降りて来ません(w



by Wild_Cat_Seeker | 2008-01-08 00:00 | ネタっこを起こす | Comments(18)
Commented by 玉千代 at 2008-01-08 00:09 x
新春初大笑い海岸on「山猫を探す人」!!!!!!!!!!!

ワロタ、ワロタ!
近年まれに見る名作じゃ。
いずれまたワライに雇用・・・・来ようっと!

今日は是にてヒツレイ!

Commented by numako at 2008-01-08 02:07 x
抜間孤氏の祖父の孫は四十ばかりにて麺類の好きな人なり。
この人の少年の頃といへば昭和の頃なるべきか。
海岸の地には磯らうめん屋あまた林立してありき。
釜石にも山田にも磯らうめん屋あり。船越半島の少し南にも磯らうめんの美味き店あり。
磯スープは密々に作られ、遠野郷でもこれを作りて磔になりたる者あり。
浜に行きたる人の話に、磯らうめんはドンブリも嘗める様に食べるなりといふことを、今でも話にする老人あり。
海岸地方には帆立の具なかなか多かりしといふことなり。

Commented by とらねこ at 2008-01-08 17:10 x
松崎の駒木のうち、はやちね食堂と称するはとくに聞こえたる麺処なり。
此家の親父は江戸各地の料亭で修行した職人なれど今はらぁめんスープ作りに巧なる人なり。
遠野郷北方面の味一番は此人の作りたるものなり。

宮洞家の虎猫ネネも、このスープで猫まんまとすれば甚だ大食いするものなり・・・・。

Commented by 口酒の別貧 at 2008-01-08 21:44 x
はつははははは。
おもしぇ~。

駅亭前のさがみの「ねぎみそ辛口」「ちゃーはん」もおいしいぞよ。
次、来るときは行くべしなあ。

Commented by 宝飯爺 at 2008-01-08 22:03 x
宝飯爺若かりし頃、喜楽は遠野病院(現とぴあ裏)にありけり、宝飯爺の年代で「五右衛門」は「北京亭」なりけり・・四十八坂付近にてその昔「磯らうめん」食せり、このてのスープは「しゅうり貝」と呼ばれる貝より取れるスープを仕様すればこれ絶品なり・・この貝はムール貝と同じなりけり・・磯らうめんの具に必ず登場する貝なれど、友人の話ではにたり貝といへり・・何に似たか?これ想像にまかせたる意味深なる?ものなり
(汗)この食堂「恋のつぶやき」なるメニューありて頼みたればこれ・・ただのつぶ貝の串焼きなり・・どんどはれ

Commented by yamaneko at 2008-01-09 00:29 x
玉千代どん

ワロタ? ワロ~タでしょ!
遠野郷はしごらうめんを宣言した直後にしたためました。
例によって、言霊がなかなか降りてこなくて苦吟しましたが、突然すらすらとネタを思いつき・・かのやうな文章になりました。惜しむべし。後半は力尽きてしまいけり(w

個人的には別館の序文より気に入っています(w

Commented by yamaneko at 2008-01-09 00:32 x
numakoどん

>遠野郷でもこれを作りて磔になりたる者あり。

ぅあ! 磯らうめんは命がけですか(爆)

ま、しかしすぐに呼応して斬り返してくるところは、続石、沼独句機関の抜間孤氏(爆)
あ、抜間孤氏の祖父の孫でしたな(w

Commented by yamaneko at 2008-01-09 00:36 x
とらねこどん

はやちね食堂は最重要拠点のひとつなり。
らうめんはしごコンバットツアーの折は訪問しましょうぞ。

らうめんスープは自作もしますけど・・・やはし大量生産の旨味に欠けます。
やまねこ亭の隠しメニューでデビューさせる予定でしたが、あまりの客足の悪さにお蔵入りとなってしまいました(爆)

Commented by yamaneko at 2008-01-09 00:39 x
口酒の別嬪さん

おそるべし・・・・”くちさけ”で変換すると口酒と返してくるようになりました(爆)

さがみも最重要攻撃目標です。つるやと人気を2分しているようですね。

ようし、食うぞう・・・・!
あ、その前に遠野行きの時間を作らなければ・・・(悲)

Commented by yamaneko at 2008-01-09 00:43 x
宝飯爺様

やはし、記憶の原点は遠野病院裏の喜楽ですか。
って、みたことがあるような言い方を許したまえ(w

しかし、みなさん見事に文語体になられて。。。

んで、にたり貝・・・・クク・・・
ワタクシがナニを想像したか・・想像にお任せします。(爆)

しかし、磯らうめん・・・1回食してみたいですなぁ・・・あ、ウラワンのあの店か!

Commented by about at 2008-01-09 00:57 x
お晩です。
GJ!!
序文がこういう風になるなんて思いもしませんでした。
すばらしいです!

Commented by yamaneko at 2008-01-09 09:41 x
aboutどん

>序文がこういう風になるなんて思いもしませんでした。

でがしょう?
書いた本人もびっくりです。

しかし、これで遠野物語を心底愛し、真剣に研究している組織からは命を狙われることに(w

Commented by てずから at 2008-01-09 16:26 x
長年、上郷の会社に勤めた夫は「姫屋」のファンです。大食漢の腹も満足させる味と量と絶賛です。ワタシは食べたことないんですが・・・。
あ、今年もよろしくお願いします(遅っっ)

Commented by yamaneko at 2008-01-09 19:58 x
てずから様

ワタクシも姫屋さんには伺ったことはありませんが、皆様の情報を整理すると「むむ!」なお店のようですね。

あ、こちらこそ宜しくお願いします(同じくオソ
!)

Commented by 座敷親父 at 2008-01-09 21:48 x
yamanekoどん、流石でやんす。
遠野物語に貴殿の愛情さえ感じさせる文面でやんす。
またラーメンにも並々ならぬ愛情さえ。
楽しく読ませてもらいやんした。
さて、磯ラーメン
遠野人に中には拘っている御仁も多いでやんす。
かく言う座敷親父も若かりし頃は今は亡き愛馬グレートブリテン号に跨り四十八坂を目指したものでやんした。
笛吹きの峠下りにてシフトダウンの度に後輪がロックするグレートブリテン号
ハイサイドを喰らいそうになり思わず足を出し・・・・・・ピキッ
お尻が割れたではないデスか~
美味しい磯ラーメンを食した後、お尻痛い痛いでトホホの遠野への帰り道でやんした。


Commented by さいたま。 at 2008-01-09 22:02 x
また来てシモタ(w
読めば読む程傑作ダァ。
遠野物語序文は名文という言葉だけでは語れない優れた文ですが、
それをらうめんネタでアレンジ(???)する白望耶麻寝子すァんも
てぇしたモンダイなのです。

普段はらうめんは食さないのですが、コレを読めばニャンとなく
たびたくなりそうです。
いかぁっすか、遠野郷のらうめん各店にこれをば貼って、店主・
客人を戦慄せしめては(w


Commented by yamaneko at 2008-01-11 00:43 x
座敷親父どん

愛情ねぇ・・・・ちょっち危ない愛情にも見えるのかニャ?(w
へそ曲がりの愛情には違いありませんよ。遠野物語にもらうめんにも(w

んで磯らうめんの情報ありがとござます。
貝でダシを取る独特のスープのようですね。
どんなコクが生まれるのでしょう・・食してみたいです。

ハイサイド・・・???
2輪のブロンコにはテンデ詳しくないもんで・・・ともかくも股関節亜脱臼くらいまでやっちまったのすか? 痛々しいでやんす。らうめんの代償にしては痛すぎるでやんす。
どうも最近、座敷親父どんの口癖が移ってしまったようでやんす(w

Commented by yamaneko at 2008-01-11 00:48 x
さいたま。どん

むふふ、ワタクシも読み返しては、なんでこんな文章が降りてきたのだらうと他人事のように感じています。
きっと小池さんの霊が降りてきたのでしょう(爆)

>らうめんネタでアレンジ・・・
アレンジではなくパクリでやんすよ。
皆さんに読んでもらって楽しんでもらって、それがワタクシの喜びでもある。
笑いは君たちに与えよう(消)w



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