山猫を探す人Ⅱ

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2007年 03月 08日

葦毛の駒にまたがり

上郷は細越の裏道を流していると、こんもりとした森に遭遇した。



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なんだろう???



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森の中には一条の流れがある。
その先には池があるようだ。



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道路端には赤鳥居と吹き抜けの社。
これはもしや・・・・・・



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やはり、そうであった。

遠野物語拾遺36話
上郷村字細越のあたりと思うが、トンノミという森の中に古池がある。故伊能先生は、鳥海と宛てるのだと言って、よくこの池の話をせられた。ここも昔から人の行くことを禁せられた場所で、ことに池の傍に行ってはならなかった。これを信ぜぬ者が森の中にはいって行ったところが、葦毛の駒にまたがり衣冠をつけた貴人が奥から現われて、その男はたちまち森の外に投げ出された。気がついて見れば、ずっと離れた田の中にうつぶせになっていたという。もう今ではそんなこともなくなったようである。


この場所が何処にあるのか、ずっと探していた。
この話の中でも、葦毛の駒に跨った貴人が森の奥から現われるくだりはぞくぞくするほど気に入った!



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社の背後、森の中に半径2mほどの池が広がる。
湧き水であろう。エメラルド色は底の藻に由来する。神秘的だ。



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社の中には「白山姫神」の石碑と、竜に乗った女神の絵が祭られている。
神々の世界については勉強不足で言及できない。



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しかし、この神が水源地を守り、豊饒を約束することは間違いあるまい。



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朽ち果てた大木の切り株。
昔はもっと鬱蒼とした森だったであろう。
気のせいか・・・・池の端に近づいた途端に、寒風激しく雪が舞い始めた。



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葦毛の駒の貴人は現われなくても、伝説は生きているようだ。

今でこそ仙人峠道路(建設中)が間近に迫り、近くに車道もあるが、30年前此処は国道から遠く離れた寂しき地だったのです。(下記航空写真参照:中央少し下の丸い森)



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日照りの時、早瀬川は干上がっても、トンノミの湧き水は枯れなかったのでしょう。
それ故、人々は此処を崇め、穢れが及ばぬよう無闇に人々が近づかないよう戒めたのでしょう。

















by Wild_Cat_Seeker | 2007-03-08 07:05 | 遠野物語の地 | Comments(8)
Commented by 一如 at 2007-03-08 17:40 x
 またまたぁ…私をよんでいますのかい???
上郷聞書(地名編)を読んでから妙に気になる場所だったのす。写真付で載っていたし、「鳥海」ですぜ 修験のにほいがプンプンします。白山姫神ですもの益々(クンクン)しか~も禁足地 葦毛の馬に跨った貴人(ウホゥ)


Commented by タマ千代 at 2007-03-08 18:34 x
はぅ~、いいな~
おン持ち帰りぃ~!

もやし・・・もしや行かれたのかと思いましたが、すんばらすぃ実行力!
昨年の「遠野ぶれんど」の会でこの話が出てよかったですねぇ。
意外と道路から近いー
ようし!

ここもまた不思議な話がありますが、言葉の一つ一つに「え?」「え?!」なものがあり謎だらけです。
土淵の魔所を思い出しますが、こちらは神懸かっています・・・・

「トンノミ」というシンプルな標柱・・・拍子抜けしそうですが、それなりの味は出ています。


Commented by とらねこ at 2007-03-08 21:26 x
トンノミ・・・鳥海
私は安倍氏関連、鳥海三郎こと安倍宗任関連かと思いましたよ・・・。

Commented by yamaneko at 2007-03-08 21:28 x
一如様
はいは~い、神様関係は任せましたよ。

うごみかてわいの神や、ちまかつふてわいノ命を知っているか? と聞かれると知っていますと答えかねないワタクシですから。(爆)

真面目な話、衣冠の貴人はどこか京風ですよね。

Commented by yamaneko at 2007-03-08 21:35 x
タマ千代様
まさに偶然の遭遇です。
日出神社が凍結路で行けなかったので、折り返し適当な脇道に入ったら、あ~ら不思議!
コーフンしましたね。
コーフンのあまり、romiさんから昼食お誘いメールに気付かなかったですよ。
そう、これすべてジンギスカンランチ前の出来事なり。

拾遺36話は山猫はフィクションだと断言します。
しかし、その登場人物が衣冠を着けた貴人という設定にコーフンします。
神が京人風に描かれた背景に興味深深です。

Commented by yamaneko at 2007-03-08 21:39 x
とらねこ様
へぇぇ~~、あべっちの宗任は鳥海三郎でしたか。
とりうみ・・・ちょうかい・・・とんのみ
古代より伝わる神だと遠野物語研究所の高柳先生もおっしゃっていましたが・・・
謎は深まるばかりだ。

Commented by 一如 at 2007-03-09 12:39 x
 記憶違いも甚だしい…上郷聞書に写真はなかった。しかし、この石碑と絵は見たことがある。ぉお、また始まったのか…脳みその捻挫…(いっつもだべ←一人つっこみ)
 虎猫様からの安倍宗任関連、捨てがたいなぁ。しかもそのような名前もついていたとは知りませなんだ。

Commented by yamaneko at 2007-03-09 20:53 x
一如様
修験・・・鳥海・・・・白山・・・・
ど素人のワタクシには皆目見当つかず闇の中ですよ。

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