山猫を探す人Ⅱ

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2005年 09月 14日

手術

 本当に寝られませんでした。ワタクシ本当に小心者です。まぁ確かに、早いところ社会復帰したい一心で早めの手術を希望しましたが、昨日の今日なんて、想定外ですわ。気胸の手術なんてちゃちゃいのちゃいで終わっちゃうよ。と昨晩ヤングな医者2名は言っていましたが、その割にはいろいろとワタクシメ書類にサインしましたよねぇ・・・・・あれはどういうわけでしょう? 内視鏡手術ってやはり『うまへた』があるやと聞きかじっておりますよ。だいたい、夕方の手術なのに朝から絶食ってなんですかっっ! どん!(と机を叩く) 無味乾燥した日常の中で唯一オアシス的時間。それが食事なのに・・・・・昼なんか絶食札かかっているのに看護助手のおばちゃん食事持ってくるんだもん! 思わず食べちまおう、なんて邪まな思いにかられましたよ。箸に手を伸ばそうとしたワタクシメでしたが、看護助手さん気付いてしまいました。
「あっら~、今日手術なのね。絶食だわ。ごめんね~ほほほほほほ。」
と遠ざかるドップラー効果。ああ、午後は水もだめなのですか? 地獄です。仕方ないのでワタクシメ『ポチ』の散歩をかねて、売店にT字帯を買いに行きましたよ。ひらたく言えば[ふんどし]でんがな。長めのトイレタイムをしたあと病室に帰ると、看護婦さんが探しておいででした。
「山猫さん、逃げちゃったかと思いましたよ~。」
ってキミ。ワタクシそこまでヘタレではありませんぞ! 確かにさっきまでウンコ垂れていましたが、で何用ですの? おおっ、手術着ではあーりませんか? 病室で着てしまうんですね。もしやT字帯も? 「それは術後に着けますから持って行ってくださいね。」 アイアイサー! 
いよいよ盛り上がってまいりましたね~~~・・・・・・・と空元気。
 予定では15:00から麻酔開始のはずなのに・・・・手術着でスタンバイしているのに、なかなかお呼びかかりませんねぇ。前の方が押しているのですか? まさか、術中急変で・・・!!暇もてあましですよ。談話室に本を返したことを後悔しました。あまりに暇だったので、愛しのRちゃんにケータイで遺言送ったですよ。ほんの軽いブラックジョークだったんですが、笑えません! しっかりがんばってらっしゃい。と返信してきました。
巡回の看護婦は「まだ来ない? 申し訳ないわね。緊張させちゃって」



16:00 ようやくと移動開始ですよ。車椅子に乗り6階手術棟に。
ドアを何個かくぐり、そこが車椅子の限界地点、いやいや雑菌まみれの下界の不純物の越えられない壁ですわ。ワタクシメ世間の垢にまみれていますから。
なんというか、扉が上に開き、カウンター越しに手術室のスタッフが居ましてな、そのカウンターに手術着以外脱いで横たわれというのですわ。おやおや、いきなり横たわったプレートが動いてワタクシメ、薄汚れた下界から純真無垢な手術室に入りましたですよ。そこからはストレッチャーで移動です。ベンケーシーのオープニングの気分を味わい手術室に。
おおっ広いですねぇ! なんか手術台がいっぱいありますよ。だれか最中の人はいるのかな? なわけないか。 家賃どれくらい取るんでしょうか? あ、軽いジョークです。はい、小心者ですから緊張をほぐそうと必死なんです。はい。



 いよいよ手術台に乗り換えです。以外と硬いですな。しかも肌寒い。でもBGMはクラッシックなんですね。ワタクシの緊張をほぐすためでしたら、『ヴァンヘイレン』『スティーリーダン』を聴かせておくんなまし。まわりを見回すと麻酔医の他は看護婦さんが3人だけ。顔の半分はマスクですから、なんなんですが、いやはや美形でございますなぁ。万が一のことがあったら、最後に見た異性が美形ですとこりゃ成仏できますな。これがあき○城とか○木数子とか泉○んこなんかだったら、確実に迷いますな。化けて出ますな。うん、この病院の措置は正しい!
  いよいよ麻酔でっす。
「それじゃ、いきましょうかね。」
麻酔科の兄ちゃん気持ちをリラックスさせるつもりだろうが軽すぎです! 不安をあおります。この不安は的中しました
「おや、あれ、おお、ううむ・・・」

疑問符的うめき発しながらワタクシメの手首動脈に針を刺しては抜き刺しては抜き・・・・おおい?(怒)
結局、動脈シャント13回もやり直しやがった。縁起悪いったらありゃしねぇ!(やはり江戸前) ようやくと動脈シャントが成功したが、なんか今度は麻酔液の注入ゲージに異常ありらしいです。麻酔医のにーちゃん、傍らの看護婦に「これ、どーなってんの?」なんて聞いています。 おお~い! あんたが大将でしょ?
おいおい、また最初からやり直しかい? またプスプス刺しまくるのかい? いやだよ、もう動脈は静脈と違って痛いんだよ。なんでか知らないけどそうだんだよ。
勘弁してよー!
祈る気持ちでいると、どうやらゲージが動いたらしいです。
スタンバイオーケーで麻酔の注入が始まりました。手首がじわ~んとしましたよ。で、ワタクシの口元には酸素吸入マスクが・・・・
「はい、大きく吸って」
すーっ・・・
「山猫さん、返事できますか?」「はーい」「はい、じゃあもう一回、大きく吸ってー。」すーっ・・・「山猫さん?」「は~い」「大きく吸って!」
だいたいわかってきましたぞ。どこで意識なくなるか確認してるんですな。よーし、お笑いパラノイアのワタクシメの闘争心に火をつけましたね。なんかギャグをとばしたろ。と思いましたが4回目の問いかけに応えることは出来ませんでした。
ワタクシメは左の脳が溶けて流れる感覚を味わい機能停止・・・・



・・・・・なんか、ごろごろと動いているな~。ああ、病室に移動しているんだな。



「・・・かりますか? 山猫さん? わかりますか? 無事終わりましたよ・・・」



手術終了し、麻酔が完全に覚めたのが23:00頃とのこと。それ以前にも目覚めてはいたのですが情けないくらいに断片的記憶しかありません。



尿意の津波。
全世界の見積書が頭になだれ込んでくる悪夢。
閻魔様だか裁判長だか知らんが足をもみながら一個一個確かめるんだ。
「これはお前の作った見積か?」



多分、目覚めての第一声は
「小便漏れちゃう!」



目は見えているのですが、デティールを記憶することは出来ない。わかりますかね? この感覚。今いるのはなんか手術室の横の控え室なのかなと思っていました。
完全に意識が戻ったのは看護婦さんに氷のかけらを口に入れてもらった瞬間でした。旨かったぁ~。
そして麻酔が抜けると同時に来ましたよ~。傷の痛みではなく背中のだるさですよ。入院してからこっちずっと続いていた痛みですわ。午前3時すぎ、耐えられずナースコールをしたですよ。前回入院から数えても初のナースコールでした。勧めに従い、座薬の痛み止めを注入。もう、恥も外聞もありません。ワタクシメ今は思考力ゼロ、戦闘力ゼロ、機動力ゼロ。たゆたう如き頼りなさ。ですもの。

座薬が効いてきました。



少し寝させてください。



by Wild_Cat_Seeker | 2005-09-14 04:10 | 厄年入院日記(き、気胸なり!) | Comments(0)
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